ストックマーケットレポート・サンプル 2017.11.10号
* サンプルとして、冒頭の約1ページ分を掲載しております。
1:ファンダメンタル
この10日間につきましては、「日本の総選挙」や「中国共産党大会」など、「アジアの大国」で、政治的に注目すべきイベントが起きました。そして、「日本」では、ご存知のとおりに、「希望の党」が大敗北を喫し、結果として、「弱すぎる野党」と「安倍一強体制」という状況となったことも理解できるわけです。また、お隣の「中国」でも、「習近平総書記による独裁体制」が、はっきりと見えてきたようですが、一方で、「米朝の対立」に関しましては、「小康状態」でもありました。
そのために、今回は、「なぜ、このような状態になったのか?」、そして、「今後は、どのような展開が予想されるのか?」につきまして、「東洋学」の観点から考えてみたいと思います。つまり、今回も、「人知」で考えると、いろいろと「理不尽な現象」が発生しているものと思われますが、一方で、「天地自然の理」からは、極めて巧妙なメカニズムが働いているようにも感じられるわけです。別の言葉では、「全ての出来事に、大きな意味が隠されている可能性」のことですが、今回は、この点につきまして、「天爵」と「人爵」の観点から、いろいろと考えてみたいと思います。
具体的には、「四書五経」の一つである「孟子」に「天爵修めて、人爵これに従う」という言葉があり、実際には、次のような内容となっています。
現代語訳・抄訳
孟子が言った。 天爵というものがあり、人爵というものがある。 仁義忠信、善に楽しみて倦むことなきは、天爵である。 公卿大夫、世にあふれる地位といったものは、人爵である。 古の人は、その己にある所のものを修めて、地位が自然とこれに従った。今の人は、地位を得るために己を修める者ばかりである。既に地位を得てしまえば、その修めたところを棄ててしまう。これは惑うの甚だしき者というほかない。終にはまた必ず亡びてしまうであろう、と。(出典:簡野道明著「孟子通解」)
そして、私自身も、この言葉について、長年、考え続けてきましたが、実際のところ、「なぜ、金正恩氏が北朝鮮の独裁者となり、無謀な行為が継続可能なのか?」、あるいは、「なぜ、現在、二世タレントの事件が頻発しているのか?」など、いまだに、謎が解けない問題が、数多く存在するわけです。そのために、今回は、「中間報告」という形で、自分なりの考えを述べさせていただきますが、基本的には、「天爵」と「人爵」を分けて考え、また、この時に、簡便的な「スケール」を付けてみたいと思います。
具体的には、次の表になりますが、「基本的な認識」としましては、「天爵」が「精神的な成熟度」であり、また、「人爵」が「この世での地位や名誉」だと考えています。つまり、「人間」というのは、「何度も生まれ変わりを経験し、そのたびに、精神的な成熟度が高まる」ということが「お釈迦様の教え」であり、また、「人生の意味」につきましては、「どれほど多くの『天地自然の理』や『真理』を、実体験で学ぶことができるのか?」だと考えています。しかし、「目に見えるもの」を重視しがちな「現代人」にとりましては、現在、この点に関する認識が、ほとんど存在しないようにも感じられるわけです。