ストックマーケットレポート・サンプル 2018.2.28号

* サンプルとして、冒頭の約1ページ分を掲載しております。

1:ファンダメンタル

この10日間は、「オリンピックの熱狂」と「森友問題」などで、マスコミが賑わいましたが、確かに、「オリンピックで、若者たちが肉体的限界に挑戦する姿」につきましては、「大きな感動を覚えざるを得ない状況」とも言えるようです。しかし、一方で、「自分も含めて、日本人の大人は、どのような人生を送っているのか?」を考えますと、「森友学園への土地売却問題」のように、「今になって、財務省から、新たな資料が大量に出始めている状況」でもあるわけです。つまり、「昨年の国会で、前近畿理財局長で現国税庁長官の佐川氏が、虚偽の答弁をした可能性」が指摘されていますが、この点につきましては、きわめて大きな意味を持っているようにも感じています。

具体的には、「政府や官僚への不信感」を増幅させる出来事であり、マスコミの報道のとおりに、現在では、「確定申告」に関して、いろいろな不満が出ているからです。つまり、「なぜ、国民だけが正直に税金を支払わなければいけないのか?」という疑問を、多くの国民が持ち始めたようですが、私自身としましては、この動きが、今後、「通貨への不信感」、すなわち、本当の「大インフレ」に繋がる可能性を危惧しているわけです。別の言葉では、現在、「インフレ懸念の台頭」と「金融政策の正常化」が、市場の話題になり始めていますが、実際には、ほとんどの人が、「過去の推移」を理解せず、現状を誤解している状況のようにも感じているわけです。

過去100年間の米国10年国債金利

つまり、「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」という言葉のとおりに、ほとんどの人々は、今までの「デフレ」や「超低金利状態」の「経験」に惑わされているようにも感じられるわけです。具体的には、上記のグラフのとおりに、「1981年から2016年」までの「約35年間」、「米国の10年国債金利が低下し続けてきた状況」でもありました。その結果として、「ケインズ」が指摘する「30年以上も同じ傾向が続くと、人々は、その動きが永遠に続くと錯覚する状況」が、現在、「金利」や「インフレ」に対する「人々の認識や理解」で発生しているようにも感じられるわけです。

別の言葉では、多くの人々が、「本当のインフレ」を体験していないために、現状理解が難しい状況とも言えるようですが、幸いなことに、私自身は、「1977年」に「金融界」に従事し始めたため、「1979年の金(ゴールド)バブル」と「1980年代初頭の高金利状態」を、実際に体験することができたわけです。そのために、今回は、歴史上、最も有名な「インフレ」といわれる「1914年から1924年までのドイツで、どのようなことが起こったのか?」につきまして、詳しく説明させていただきながら、「賢者」のように「歴史」に学びたいと思います。