ストックマーケットレポート・サンプル 2018.6.30号

* サンプルとして、冒頭の約1ページ分を掲載しております。

1:ファンダメンタル

この10日間は、ご存知のとおりに、「米朝首脳会談」に関する記事で、マスコミは大賑わいの状況となりました。つまり、次の写真のとおりに、「歴史上、初めての会談」が実行されるとともに、「今後、どのような展開が見込まれるのか?」について、さまざまな意見が出ている状況となっています。具体的には、「単なるショーにすぎなかった」、あるいは、「金正恩委員長の完全勝利だった」というようなコメントのことですが、私自身としては、「金正恩委員長の焦り」が存在したようにも感じられました。

米朝首脳会談

(出典:日経新聞)

より詳しく申し上げますと、「約2500万人もの人口を有する北朝鮮」について、今後、「どのようにして国家運営を行うのか?」、あるいは、「どのようにして外貨を稼ぐのか?」を考えますと、現在は、「経済制裁」の効果により、きわめて厳しい状況となっているようにも感じられるわけです。別の言葉では、かつての「ジンバブエ」、そして、現在の「ベネズエラ」のように、典型的な「独裁者国家の歪み」、すなわち、「景気の低迷」と「外貨取得に関する問題」などが発生しているものと思われるわけです。

そのために、この点につきましては、決して、表面的な動きに捉われず、長期的な観点から注目したいと考えていますが、重要な点は、やはり、「国民が、どのような状況になっているのか?」を理解することにあるようです。つまり、「経済制裁により、どれほど、国民が被害を受けているのか?」、また、「非核化が進展した時に、軍部の不満が、どれほど出るのか?」という点ですが、実際には、「いろいろな不満が、今後、国内から噴出する可能性が高い」ものと考えています。

つまり、「北朝鮮」につきましては、「時間的な余裕」が無くなっている可能性があり、このことが、前述の「金正恩委員長の焦り」に繋がったようにも思われるわけです。また、「時間的な余裕が無くなった状況」につきましては、「世界の金融情勢」にも当てはまるものと考えていますが、ご存知のとおりに、現在では、「日米欧の金融政策に、大きな違いが出始めた状況」であり、このことは、「国債を守る陣営」に、「内部分裂」や「焦り」が出始めた状況を表しているようです。