ストックマーケットレポート・サンプル 2018.9.20号

* サンプルとして、冒頭の約1ページ分を掲載しております。

1:ファンダメンタル

今回は、2か月ほど前の「5月29日」に発表された「日銀の決算」を参考にしながら、「金利の上昇が、今後、世界経済に対して、どのような影響を及ぼすのか?」を考えてみたいと思います。つまり、過去数十年間に発生した「世界経済の成長」につきましては、基本的に、「マネーのコスト低下」が、「マネーの大膨張」、そして、「超低金利状態」を発生させたことが主な原因の一つだったものと思われるわけです。また、同時に理解すべき点は、「1971年のニクソンショック」から始まった「信用本位制」と、その結果として、大量に創られた「コンピューターマネー」の存在でもあります。

しかし、現在では、前回のレポートで紹介しましたように、「プラネタリー・バウンダリー(地球の限界)」という言葉が使われ始めており、このことは、「人類の活動が、ある閾値または転換点を通過してしまった後に、取り返しがつかない『不可逆的かつ急激な環境変化』の危険性がある状況」を意味しています。つまり、現在では、「人新世(ひとしんせい)の時期に入り、人類の活動が、地球環境を破壊している可能性」が憂慮され始めていますが、この言葉につきましては、次のように、ウィキペディアで説明されています。

Anthropocene(人新世:ひとしんせい)とはノーベル化学賞受賞のドイツ人大気化学者、パウル・クルッツェンによって提案された造語で、人類が地球の生態系や気候に大きな影響を及ぼすようになった近年の地質学的な時代を表している。(出典:ウィキペディア)

より具体的に申し上げますと、現在は、「地質時代区分」におきまして、「完新世(かんしんせい)の時代である」、しかし、最近の「異常気象」などにより、「完新世の時代から、人新世の時代に移行するのではないか?」という認識のことです。つまり、最近の「天災」や「異常気象」からも明らかなように、現在は、「台風」や「地震」などにより、「人々の生活や命が脅かされている状況」となっているわけです。そして、この理由としましては、前述のとおりに、「マネーのコスト」が急激に減少し、「過剰な経済活動」が引き起こされた可能性も考えられるわけです。

完新世(かんしんせい、Holocene)は、地質時代区分(世)のうちで最も新しい時代である。第四紀の第二の世であると同時に、現代を含む。かつての沖積世(Alluvium)とはほぼ同義である。最終氷河期が終わる約1万年前から現在まで(近未来も含む)を指し、その境界は、大陸ヨーロッパにおける氷床の消滅をもって定義された。(出典:ウィキペディア)

また、「プラネタリー・バウンダリー」につきましては、「ウィキペディア」で次のように紹介されていますが、特に注目すべき点は、「限界値を有する9つの地球システム」とも言えるようです。具体的には、「気候変動」や「生物多様性の欠損」などですが、この点につきましては、以前から、「地球の温暖化」による「海水面の上昇」などが危惧されています。つまり、「南極の氷が解けて海面が上昇し、ツバルやキリバスなどの国々が水没する可能性」のことですが、この時に考えなければいけないことは、「住むところが無くなれば、実体経済やマネー経済なども、当然のことながら消滅する」という厳然たる事実でもあります。