ストックマーケットレポート・サンプル 2018.9.30号
* サンプルとして、冒頭の約1ページ分を掲載しております。
1:ファンダメンタル
「リーマン・ショックから10年」というような題名の記事や特集が、現在、マスコミで数多く報道されていますが、私自身としましては、「ほとんどが、本質から外れた内容となっているのではないか?」とも感じています。つまり、「リーマン・ショックが、なぜ起こったのか?」、そして、「その後、どのような対応が取られたのか?」についての「具体的な分析」が、ほとんど行われていないために、現在、多くの人が感じている「次の金融危機」に関する「漠然とした不安感」につきましても、「実情とは乖離した状態」のようにも思われるからです。
「100年に1度の危機」と呼ばれたリーマン・ショックから、15日で10年になる。強力な金融緩和が続いた影響で、世界の債務は2.7京円と危機前を上回って最大規模に積み上がった。世界経済は比較的高い成長を続けているものの、危機がぶり返すリスクをぬぐい去れないでいる。「次の金融危機が近づいているのは確実」。米国出身の著名投資家ジム・ロジャーズ氏は警戒する。世界的に債務が増大し、不測の事態が生じかねないとみるからだ。(出典:日経新聞)
具体的には、「9月15日の日経新聞」に「世界の債務10年で4割増」という記事があり、その中で、上記のグラフやコメントが掲載されていますが、実際には、「過去の推移」が的確に分析できていないために、現在の「歪み」や「これから、どのような危機が訪れるのか?」が理解できていない状況のようにも思われるわけです。つまり、「大規模な金融緩和が、なぜ、10年間も継続したのか、あるいは、できたのか?」に関する理解が不足しており、そのために、現在では、さまざまな誤解が生じている状況とも考えられるわけです。