ストックマーケットレポート・サンプル 2018.10.30号

* サンプルとして、冒頭の約1ページ分を掲載しております。

1:ファンダメンタル

現在、多くの人が憂慮していることは、「次の危機が始まった可能性」とも言えるようですが、この時の問題点は、「過去の推移」が正確に理解されていないために、「将来の方向性」が見えない状況のようにも感じています。つまり、「何が、本当の危機なのか?」が理解されていない可能性のことですが、実際のところ、多くの人々は、「株価の下落」や「景気の悪化」に大騒ぎしながらも、「歯止めが効かない国家財政問題」や「デリバティブがもたらす金利上昇」などにつきましては、ほとんど無関心の状況とも想定されるわけです。

米国の財政赤字

(出典:日経新聞)

具体的には、「10月17日の日経新聞」に掲載された「米国の財政赤字」に関する記事につきましても、「日本の財政赤字」と同様に、「今まで問題が起こらなかったから、これからも同様の状態が継続するだろう」というような「楽観的な見方」が支配しているものと思われるわけです。そのために、今回は、これらの点を詳しく説明しながら、同時に、「改訂版の金融システム」につきまして、補足的な解説を加えたいと思いますが、私自身は、現在、「ニクソンショック以降の金融情勢」につきまして、「全てが説明可能な状況となったのではないか?」と考えるとともに、一方で、「今後の展開については、想定以上の激変が発生するのではないか?」とも感じている次第です。

具体的には、現在、「日本の金利」に「前代未聞の規模で上昇圧力が掛かっている状況」のことですが、このことを理解するためには、やはり、「過去数十年間に、どのような変化が発生したのか?」を正確に分析しなければいけないものと思われるわけです。別の言葉では、この分析をおろそかにすると、「嘘の上塗り状態」に陥るものと考えていますが、このような状況につきましては、「依然として、世界中の投資家が、大恐慌の亡霊に捉われている事実」からも明らかだと考えています。

つまり、現在でも、海外で、「株価が暴落し、大恐慌が始まるのではないか?」というような意見が聞かれるわけですが、「1929年の大恐慌」につきましては、以前から申し上げていますように、いまだに「原因」が解明されていない状況でもあります。しかも、この点に加えまして、「お金の謎」も解けておらず、また、「お金の性質」も理解されていないために、より一層、訳が分からない状況となっているものと考えていますが、この結果として発生したのが、今までに詳しく説明しました「未曽有の規模でのマネー大膨張」とも思われるわけです。