ストックマーケットレポート・サンプル 2018.11.20号

* サンプルとして、冒頭の約1ページ分を掲載しております。

1:ファンダメンタル

「9月の金利上昇」に続き「10月の世界的な株安」というように、「世界の金融市場」は混乱状態に陥っていますが、私自身としましては、反対に、「今後の方向性が、はっきり見えてきたのではないか?」とも感じています。そのために、今回も、この点に関する「補足的な説明」をさせていただきますが、現在、最も必要なことは、たいへん重要な意味を持つ「金利の上昇圧力」、そして、「マネー経済」に対する「正確な理解」だと考えています。しかし、市場参加者の多くは、依然として、「貿易戦争」や「実体経済」だけに注目が集まっている状況とも言えるようです。

(出典:株式会社テンダネス)

つまり、「相場は世の鏡」という言葉のとおりに、現在、世界の金融市場で、大きな影響力を持っているのは、「実体経済」よりも「マネー経済」であり、実際には、以前に申し上げました「犬の身体と尻尾の関係」となっているわけです。具体的に申し上げますと、「世界のマネー経済」につきましては、「実体経済」と比較すると、「いまだに、約10倍の規模ではないか?」とも考えられるわけです。しかも、現在の「マネー経済」につきましては、「断末魔の叫びをあげている状況」とも言えるようですので、今回は、この点につきまして、詳しく説明させていただきたいと思います。

具体的には、次の「過去100年間における、米国10年国債金利」のグラフを見ますと、「1981年から2016年」まで、「約35年間も金利が低下し続けてきた状況」だったことが理解できるわけです。そして、この事実が意味することは、基本的に、「1981年から2008年前後」までの期間において、「デリバティブの大膨張」が「金利低下」の主な要因だった可能性になります。ただし、「1980年代」につきましては、「日本のマネー膨張」も「金利の低下」に貢献しましたので、この点も、忘れてはいけない要因とも考えています。