ストックマーケットレポート・サンプル 2018.12.20号
* サンプルとして、冒頭の約1ページ分を掲載しております。
1:ファンダメンタル
今回は、「海外の識者が、現状をどのように見ているのか?」について考えてみたいと思いますが、具体的には、以前に紹介しました「金融専門家のグレーヤーズ氏」の「最新のレポート」を説明しながら、私の分析を加えさせていただきます。そして、このレポートで、最初に指摘されているポイントが、次のグラフのとおりに、「東側諸国のみならず、西側諸国の中央銀行も、現在、金(ゴールド)を買っている状況」でしたが、この点につきましては、私自身も、「今後、世界で最も注目されるポイントの一つになる」ものと考えています。
より詳しく申し上げますと、「1960年代」から「2006年」まで、「西側諸国の中央銀行は、保有している金(ゴールド)を、大量に売却し続けてきた」という状況でもありました。そして、この理由としては、「近代の金融システムにおいて、金(ゴールド)の役割は減少したのではないか?」、あるいは、「金利を生み出さない金(ゴールド)よりも、金利が得られる債券などを保有した方がよいのではないか?」というような「考え」が広まったことが指摘できるわけです。
別の言葉では、「20世紀前半」の「実体経済の高度成長」が、その後、徐々に、「マネー経済」を膨張させ始めたわけですが、この時に、「西側諸国の中央銀行」としては、「金を保有するメリット(利点や価値)」を感じなくなっていったわけです。その結果として、「金の保有残高」を減少させ続けたわけですが、このことは、「通貨や政府への信頼感」が増加した結果として、「多くの人々が、金や銀などを持つ意味を忘れ始めた状況」とも、深い関係を持っているようです。
より具体的に申し上げますと、現在の「キャッシュレス社会」という言葉は、「金や銀などの貴金属」のみならず、「硬貨や紙幣」なども含めて、「実体を伴った全ての通貨が、不要となる社会」を意味しているものと思われるわけです。つまり、「コンピューターネットワーク」という「仮想現実」の世界で、「コンピューターマネー」や「デジタル通貨」と呼ばれる「目に見えない単なる数字」により「全ての金融決済が行われる状況」を想定しているようですが、私自身としましては、「現在の状態が産み出されるまでにも、実に長い時間が必要とされた」とも感じている次第です。