ストックマーケットレポート・サンプル 2019.1.10号

* サンプルとして、冒頭の約1ページ分を掲載しております。

明けましておめでとうございます

本年もよろしくお願い申し上げます

1:ファンダメンタル

「2019年」が幕を開けましたが、今回は、最初に、「2018年の9月以降、どのようなことが金融市場で発生したのか?」について振り返ってみたいと思います。つまり、「日本株」につきましては、次のチャートのとおりに、「2018年10月」に、「バブル崩壊後、27年ぶりの高値更新をした」という状況でありながら、その後、「世界的な株価の急落」が発生し、結果として、「日経平均が、一時的に、2万円を割れた」という展開となったわけです。

別の言葉では、多くの投資家が、「景気が悪化し、株価が下落する」と理解したものと思われますが、この点につきましては、確かに、「トランプ大統領が仕掛けた貿易戦争」が大きな影響力を与え、その結果として、「株価の下落」が発生したようにも感じています。ただし、私自身としましては、以前から申し上げていますように、「実体経済」よりも「マネー経済」の方が、はるかに大きな影響力を「金融市場」に与えているために、今後は、「実体経済の悪化」から「マネー経済の悪化」へ、本格的に移行するものと考えているわけです。

日経平均(週足)

別の言葉では、「なぜ、人類史上、未曽有の規模でマネーの大膨張が発生したのか?」、あるいは、「なぜ、長年、ゼロ金利が継続可能だったのか?」、また、「なぜ、世界的に、マイナス金利が発生したのか?」など、さまざまな問題に悩まされ続けてきたわけです。そして、この原因としては、「イエレン前FRB議長」が指摘するように、既存の「経済理論」が未熟な点などが挙げられるようですが、これらの要因を踏まえましても、「2018年」は、私にとりまして、「将来の展開が、はっきり見えてきた年」だったようにも感じられるわけです。

より具体的に申し上げますと、「2008年」から始まった「金融のメルトダウン」が、いよいよ、「サイバー(仮想現実)」から「フィジカル(リアル社会)」に移行を始めるものと考えているわけです。つまり、下記のグラフにおきまして、「預金」の部分における「バブル」が完全崩壊する可能性のことですが、この点につきましては、若干の補足説明が必要な状況とも言えるようです。具体的には、最初に、「中央銀行のバランスシート大膨張」により「国債の大量買い付け」が実施され、この結果として、「債券」の部分で「国債のバブル」が発生したわけですが、この時には、「人類史上、未曽有の経験である、マイナス金利までもが発生した」という状況でもありました。