ストックマーケットレポート・サンプル 2019.2.20号
* サンプルとして、冒頭の約1ページ分を掲載しております。
1:ファンダメンタル
今回は、最初に、「ジェラルド・セレンテ氏」という「金融専門家」のコメントを紹介させていただきますが、内容としましては、「2018年の1月」と「2019年の1月」に実施された「ダボス会議」に関して、「一年間で、どれほどの変化が発生したのか?」が述べられています。つまり、「2018年の1月」の会議では、「活況な株式市場」や「活発な世界経済」、また、「多くの人々が、トランプ大統領の政策を称賛する状況」が強調されていたわけです。
しかし、その一年後の「2019年1月」においては、「アメリカ」、そして、「イギリス」や「フランス」などの国々で、「政治リーダーへの不信感」が醸成されただけではなく、「中国経済の失速」や「米国政府の一部閉鎖」、また、「今にも爆発しそうなBREXIT爆弾」や「欧州の景気低迷」、あるいは、「長引く貿易戦争」などが注目されたわけです。そして、このことは、「2018年」が、実質上、大きな「転換の年」だったことを意味しているものと想定されるわけです。
また、「深く長引く景気低迷」と「混乱する金融市場」に対する「恐怖心」が、現時点における「ビジネスリーダーたちの主な関心事である」と述べられており、この点に関して、次の「レイ・ダリオ氏(ブリッジウォーター社のCEO)」のコメントが引用されています。
「長期的な観点から、私を最も悩ましていることは、今まで享受してきた金融政策の恩恵に関して、現在、限界点に達した可能性であり、その結果として、次の景気低迷時に、どれほどの混乱が発生するのかということである」(出典:レイ・ダリオ氏)
そして、この点に関して、「CNBCの調査」では、「今後の一年間に不況が訪れる確率は、過去3年間で、一番高まっている」とも指摘されています。つまり、きわめて異常な「金融緩和」が長期間にわたり実施された状況下で、「間もなく、本格的な景気低迷期が訪れるのではないか?」という危機感を、多くの人々が抱いているようです。また、この点に関して「ECBのドラギ総裁」のコメントも紹介されていますが、実際には、「欧州地域における予想以上の景気低迷」に対して「警告」を発するとともに、「中国の景気刺激策」に対して「大きな期待を抱いている」とも述べられているわけです。
つまり、「ドラギ総裁」は、「ECB(欧州中央銀行)の金融政策」について、「金利を下げる余地はほとんどないものの、今後、景気が悪化した時には、量的緩和を、再度、実施する可能性がある」とも述べているわけです。ただし、この点につきましては、単なる「口先介入」にすぎないものと思われますので、私自身としましては、「決して、鵜呑みにしない」という態度を貫きたいと思います。つまり、今までの推移からは、「間もなく、次の危機が起こる可能性が高まっている」、しかし、「国家」や「中央銀行」が取れる手段が少なくなっているものと考えているわけです。