ストックマーケットレポート・サンプル 2019.3.20号
* サンプルとして、冒頭の約1ページ分を掲載しております。
1:ファンダメンタル
今回は、「2月27日の日経新聞」に掲載された「SNSの利用価値は300万円? 豊かさはGDPの外に」という記事について説明させていただきますが、基本的には、「Neo Economy 進化する経済」という言葉が使われているように、「今後、人工知能(AI)やSNSなどの活用により、新たな経済が展開する」という「理解」が広まっている状況とも言えるようです。つまり、「1999年のITバブル」の時にも、「オールドエコノミーの衰退」と「ニューエコノミーの発展」が予想されましたが、実際に起こったことは、「デリバティブのバブル」と「コンピューターマネーの大膨張」が産み出した「竜宮城のような仮想現実の社会」だったようにも感じています。
より詳しく申し上げますと、私自身は、「世界が絶えざる進化と創造の過程にある」、そして、この時に重要な役割を果たすのが「技術の進歩」と「創造的破壊」であるものと理解しています。そして、「創造的破壊」につきましては、「ウィキペディア」で、次のように説明されており、この点には、全く異論がありませんが、現在の問題点は、「人口知能」や「SNS」 などが過大評価されていることにより、「より重要なポイントが見逃されているのではないか?」とも思われるわけです。
創造的破壊(そうぞうてきはかい)とはヨーゼフ・シュンペーターによって提唱された経済学用語の一つであり、経済発展というのは新たな効率的な方法が生み出されれば、それと同時に古い非効率的な方法は駆逐されていくという、その一連の新陳代謝を指す。創造的破壊は資本主義における経済発展そのものであり、これが起こる背景は基本的には外部環境の変化ではなく、企業内部のイノベーションであるとした。そして持続的な経済発展のためには絶えず新たなイノベーションで創造的破壊を行うことが重要であるとシュンペーターは説いた。(出典:ウィキペディア)
具体的には、「3月1日の日経新聞」に掲載された「米国の債務上限が、3月2日に復活した」という記事からもお分かりのように、「現代社会の実情が、ほとんど無視されている可能性」のことになります。別の言葉では、「技術革新により、従来の問題は、全て解決が可能である」というような「誤解」、あるいは、「錯覚」が存在するようにも思われるわけです。つまり、「ニューエコノミー神話」とでも呼ぶべき状態が、「約20年前のITバブル」以降、依然として、継続していた状況のようにも感じられるわけです。
そして、このことが、前述の「竜宮城のような仮想現実の社会」が意味することだと考えていますが、この点を理解するうえで、たいへん参考になるのが、「2月27日の日経新聞」に掲載された記事だと考えています。具体的には、次の内容のことですが、今回は、重要な問題点を、数多く含んでいますので、部分ごとに分けながら、丁寧に解説させていただきます。そして、この時に重要な点は、やはり、「三次元の抽象論」ではなく、「四次元の具体論」で理解する必要性とも感じています。