ストックマーケットレポート・サンプル 2019.3.10号

* サンプルとして、冒頭の約1ページ分を掲載しております。

1:ファンダメンタル

現在、最も注目すべき点は、次の「日本の10年国債価格」だと考えていますが、実際には、「私の想定とは違い、再度、価格が上昇中(金利は低下)」という状況となっています。そのために、今回は、「過去数か月間、世界の金融市場で、どのようなことが起こったのか?」について、より深い分析を行いたいと思いますが、この点に関して重要であり、また、決して忘れてはいけないことは、数年前の「BIS(国際決済銀行)」のコメントとも言えるようです。

日本の10年国債価格(月足)

具体的には、「各国政府と中央銀行は、最後の最後まで、ありとあらゆる手段を取る」、しかし、「市場の反乱が発生すると、その後、市場の動きに追随せざるを得なくなる」というものです。つまり、過去の歴史を見ますと、「どのような政府、そして、中央銀行も、国家の財政危機に際して、国債の発行やリフレーション(通貨の膨張)政策など、できる限りの手段を尽くす」という展開になることが理解できるわけです。しかし、最後には、「万策が尽きて、紙幣の増刷に訴える」ということが「過去の経験則」であり、また、「この点に関して、過去に例外が存在しなかった」ということが「BISの想定する状況」とも理解できるわけです。

そのために、「市場の反乱」、より具体的には、「金利のスナップバック(急騰)」などが、「2018年」の「BISの年次報告書」で危惧されていたことでもありました。そして、「2018年9月」には、実際に「金利の上昇(国債価格は下落)」が発生したわけですが、その後の展開としましては、「日米欧の中央銀行が、慌てて、いろいろな手段を行使してきたのではないか?」とも思われるわけです。具体的には、「昨年の10月以降、出口戦略や量的引き締め(QT)を中止して、再度、量的緩和(QE)を実施する可能性に言及し始めている状況」などのことです。