ストックマーケットレポート・サンプル 2019.4.20号

* サンプルとして、冒頭の約1ページ分を掲載しております。

1:ファンダメンタル

「1971年」から始まった「信用本位制」につきましては、前回のレポートで申し上げましたように、「実に単純なメカニズムが働いていただけだった」、そして、「この点は、ほぼ完全に説明できたのではないか?」とも考えています。つまり、金融界に従事して「42年目」で、ようやく、「私自身の使命が達成できたのではないか?」とも感じたわけですが、一方で、この点に関して思い出されたことは、「30年ほど前に抱いた危機感」であり、実際には、「約6か月間のハイパーインフレ期間を、無事に生き延びなければいけない」という「思い」でもありました。

別の言葉では、「1980年代の経験」が、私自身にとりまして、いろいろな意味で「原点」になっているものと感じていますが、実際には、「アメリカの大学で学んだ為替理論が、まったく、実践の役に立たなかった」という状況などのことです。そのために、「何故、このようなことが起こるのか?」について、その時から考え続けてきたわけですが、この過程で、特にショックを受けたのが「1987年のブラックマンデー」であり、実際には、「世界的な株価の暴落」と、この時に言われた「大恐慌の再来」でもありました。

より詳しく申し上げますと、「1929年の大恐慌が、再び、世界を襲う」というような意見が、当時、世界で蔓延したわけですが、実際の展開は、反対に、「1989年の日本株バブルに向けて、再度、株価が上昇を始めた」という状況でもあったわけです。そのために、私自身は、より一層、「ブラックマンデーとは、いったい、何だったのか?」という疑問を抱き、この時から、本格的に「過去の歴史」、特に、「金融の歴史」を研究し始めたわけです。

そして、結果として得られた結論は、前述のとおりに、「将来的に、約6か月間のハイパーインフレに見舞われる可能性」であり、そのために、「この時期を、無事に乗り切らなければならない」という「思い」を強く持ったわけです。つまり、現時点では、「今までの42年間が、これからの数年間のために存在したのではないか?」という感想を持っていますが、実際には、今までが「準備期間」にすぎず、これからが「本当の大混乱期」に相当する可能性のことです。そのために、現時点で重要なことは、やはり、「過去の歴史」を検証しながら、「どのような未来が待っているのか?」を、よく考えることだと思われるわけです。

別の言葉では、「三次元の抽象論」ではなく「四次元の具体論」で考えることですが、現在、特に必要とされることは、「信用本位制の約50年間」に関して、「それまでと、どのような違いが発生したのか?」を詳しく分析することだと考えています。つまり、「マネーの大膨張」が、「世界情勢」のみならず、「人々の暮らし」などに関して、「どのような変化をもたらしたのか?」を考えることですが、その理由としましては、今後、「大インフレによる、実質的なマネーの収縮」が予想されるからです。