ストックマーケットレポート・サンプル 2019.8.10号

* サンプルとして、冒頭の約1ページ分を掲載しております。

1:ファンダメンタル

「7月20日」に行われた「参議院選挙」は、「事前のマスコミ予想」のとおりに「波乱の無い結果」となりましたが、この理由としましては、若者を中心にして、「自民党政権への支持」が強かった点も指摘できるようです。つまり、多くの国民は、現在、「アベノミクス」や「異次元の金融緩和」を信じ込んでいる状況とも言えるようですので、今回は、「7月22日」に実施された「黒田日銀総裁の講演」について、簡単に説明させていただきます。また、「今回の講演は、海外で、しかも、英語で行われた」という状況のために、「日本における講演とは違い、内容的に興味深いものだった」とも感じている次第です。

別の言葉では、「ある程度、ホンネの部分も含まれていたのではないか?」とも感じられたわけですが、一方で、「題名」につきましては、「慢性的なデフレと量的・質的緩和」というように「日本国内で、常日頃から聞かされている言葉」でもありました。そのために、この点も考慮しながら、内容を見ていきたいと思いますが、今回の講演では、「グローバル金融危機以降、ほとんどの先進国で低インフレ、低金利環境が継続している」という説明がなされていました。しかし、実際には、次のグラフのとおりに、「日本の消費者物価」と「日本の政策金利」との間に、「大きな歪みが存在する状況」のようにも感じた次第です。

(出典:日銀)

より詳しく申し上げますと、「消費者物価が+1%前後の状況」でありながら、「なぜ、日本でマイナス金利が継続できるのか?」という疑問が、当然のことながら浮かび上がってくるわけです。つまり、今回の講演では、「量的・質的緩和の効果として、デフレではない状況」にはなったものの、一方で、「2%の物価安定という目標値には届いていない状況」とも述べられているわけです。別の言葉では、「政府は2%以上の物価上昇を望んでいるものの、実際には、デフレにより目標値にまで達成していない状況である」という説明がなされているわけです。