ストックマーケットレポート・サンプル 2019.11.10号

* サンプルとして、冒頭の約1ページ分を掲載しております。

1:ファンダメンタル

現在、最も注目すべきポイントは、「欧米の金融市場で、どのような変化が発生しているのか?」だと考えています。そのために、今回は、具体例を紹介しながら、解説を加えさせていただきますが、私自身としましては、基本的に、「世界の金融システムが、間もなく、完全崩壊を迎える状況」を想定しています。つまり、今まで、ありとあらゆる「手段」を行使し、できる限りの「時間稼ぎ」を行ってきたものの、現在では、「紙幣の増刷」を除き、「全ての手段」が尽きた状態となり、そのために、間もなく、本格的な「大インフレ」が始まるものと想定されるわけです。

バランスシートのバブルと移行する不良債権(改訂版)

(出典:株式会社テンダネス)

また、この時に重要なポイントは、上記の「バランスシートのバブルと移行する不良債権のグラフ(改訂版)」を、より深く理解することだと考えています。そして、この点に関して、最初に、「ドイツの銀行業、個人顧客に痛み転嫁 預金マイナス金利で収益打撃緩和」という「10月24日」に掲載された「ブルームバーグの記事」を紹介させていただきますが、この記事により、「マイナス金利が、世界各国の金融機関に対して、どれほどのダメージを与えているのか?」を理解していただけるものと考えています。

つまり、「マイナス金利」というのは、「国家財政」には助けになるものの、「民間の金融機関」や「金融システム」にとっては、きわめて大きな負担となっているものと想定されるわけです。具体的には、「1年後に100で償還される国債」を、「現在、101で買う状況」を考えますと、「国債の発行者」である「国家」はメリットを受けるものの、「国債の買い手」である「民間金融機関」や「中央銀行」は、「大きな損失」を被る状況であることも理解できるわけです。