ストックマーケットレポート・サンプル 2020.1.30号
* サンプルとして、冒頭の約1ページ分を掲載しております。
1:ファンダメンタル
今回は、「1月13日」に掲載された「3中銀の総資産」に関する記事を紹介しながら、「現在の状況」を整理したいと思いますが、今回の記事で興味深かった点は、「記事の内容が、ますます、私の主張に近付いてきたのではないか?」と感じられたことでした。具体的には、「日米欧の中央銀行が、2019年に、再び、資産増加に転じた」、そして、「財政規律や市場の機能が失われる副作用は大きく、金融緩和は政策の限界を意識すべき時にある」というような「警告」を発している状況のことです。
より具体的には、上記のグラフのとおりに、「昨年の末に、3中銀の総資産が、一斉に増加し始めた状況」のことですが、この点を正確に理解するためには、当然のことながら、「資産の増加」に、「負債の増加」が伴う状況を理解しなければならないものと考えています。つまり、「バランスシート」には「資産と負債の総額が、必ず、一致する」という性格が存在しますが、現在の問題点は、「資産」という「資金が、何に投資されているのか?」だけに関心が向かい、「負債」という「資金が、どのようにして調達されたのか?」が無視されやすい状況とも言えるわけです。
その結果として、現在では、「日銀の資産を考慮すると、日本の借金総額は、大幅に減少する」というような「無謀な意見」までもが聞かれる状況、あるいは、以前の「MMT(現代貨幣理論)」のように、「超低金利状態が継続しているから、日本の国家財政には問題が無い」というような意見が、いまだに、堂々とまかり通っている状況でもあるわけです。つまり、「金融システムの全体像」に関して、「いろいろな人が、いろいろな観点から意見を述べているような状況」となっていますが、この点につきましては、「日銀」が発表している「資金循環表」を見れば、「日本全体の資金の流れ」が、はっきり理解できるものと考えています。