ストックマーケットレポート・サンプル 2020.3.10号

* サンプルとして、冒頭の約1ページ分を掲載しております。

1:ファンダメンタル

この10日間は、「コロナ・ショック」により、世界の「金融市場」は混乱状態となりましたが、私自身の感想としては、単に、「信用本位制の崩壊」に関して「デジタル通貨が断末魔の叫びをあげている状況ではないか?」ということでもありました。つまり、現在は、「本格的な金融大混乱」を意味する、「金融システム」や「通貨制度」の「崩壊」が近づいている状況下で、いまだに、さまざまな「プログラム売買」が実施されている段階とも思われるわけです。

より具体的には、「インフレの大津波」が、世界を襲い始めている状況のことですが、今回の「新型コロナウイルス」につきましては、以前の「米中の貿易戦争」と同様に、「実体経済を実質的に収縮させる効果」があったものと考えています。つまり、依然として、「インフレ」に関して「引き潮の状態」が継続しているようにも思われますが、実際には、「引き潮」から「満ち潮」への「大転換期」であり、今後は、「国債価格の暴落」が始まった時から、「金融界の白血病」、すなわち、本格的な「大インフレ」が始まる状況も想定されるわけです。

別の言葉では、今回の「世界的な株価の急落」につきましては、私の想像以上の展開でしたが、同時に感じたことは、「表面的な動きに惑わされず、その後に予想される本格的な大混乱に備えなければいけない」ということでもありました。つまり、現在は、「時間の経過とともに、さまざまな真理が姿を現している状況」とも思われますが、一方で、「マスコミの報道」につきましては、より一層、「訳が分からなくなり、迷路に入ったような状況」のようにも感じられるわけです。

我々が恐れなくてはならない唯一のものは、恐れることそのものだ――。かつてフランクリン・ルーズベルト米大統領が語ったこの考え方は、景気悪化の多くの場合に当てはまる。恐れることそのものが引き起こす投資や消費を避けようとする行動が、経済的な繁栄に対する最大の脅威であるからだ。これまでのところ世界は、死者数が2000人を超えた新型コロナウイルスによる肺炎「COVID-19」の感染拡大も決して例外ではないと、これまでの脅威に対するのと変わらぬ方法で対処している。アジア各国の中央銀行は金融緩和に動き、政府は経済への打撃を抑えようと財政支出策を準備しつつある。だが、新型肺炎は従来型の経済的な脅威とは異なる。ウイルス封じ込め策は、工場閉鎖やサプライチェーン(供給網)の寸断によって経済活動を制限している。こうした供給ショックは不安に伴う企業や投資家らの投資の手控えよりも対応するのが難しい。(出典:日経新聞)

具体的には、「2月25日の日経新聞」に掲載された「エコノミスト誌の記事」のことですが、内容としては、上記の抜粋のとおりに、「恐怖心」を抱いていながらも、「恐怖心の正体」が見えていない状況とも思われるわけです。つまり、現在の問題点は、「供給ショック」という「工場閉鎖や供給網の寸断」が「主な原因」と理解されており、この点に関して、「1970年代のスタグフレーション(景気低迷下のインフレ」が、再び、議論されている状況でもあるわけです。